No.18:ベテラン部下が新しいやり方に抵抗し、チームの和を乱す。
「昔は、もっとこうだったんだがな…」
新しいツールや、新しい業務フローを導入しようとした時、ベテラン社員から発せられる、この言葉。それは、チームの変革を阻む、最も重く、冷たい壁のように感じられます。
かつての僕も、この壁に何度も跳ね返されてきました。「時代は変わったんです」「もっと効率的な方法があります」と、正論で説得しようとすればするほど、彼らの態度は頑なになり、チームの雰囲気は悪化していく。そんな悪循環に陥っていました。
しかし、ある時、僕は気づいたのです。彼らが変化を拒むのは、決して怠慢や悪意からではない。それは、「自分の経験やスキルが、もはや必要とされなくなるのではないか」という、深い“恐怖”の裏返しなのだと。
それに気づいてから、僕は彼らへのアプローチを、180度変えました。
僕がやったことは、たった一つ。 それは、彼らを「変革の対象者」にするのではなく、彼らを「変革の指導者」として、一段高い場所に祭り上げることでした。
例えば、新しいITツールを導入する時。僕は、最も抵抗していたベテランのAさんに、こうお願いしたのです。
「Aさん、新しいツールを導入しますが、正直、若手だけでは、現場でどんなトラブルが起きるか、不安な部分があります。そこで、Aさんの長年の経験を活かし、このツールの『導入プロジェクト・特別顧問』に就任していただけませんか?Aさんの厳しい目で、リスクをチェックし、若手にアドバイスしてほしいのです」
彼は、最初は驚いた顔をしていましたが、「俺の経験が必要なのか」と、少し誇らしげな表情を見せました。
結果、どうなったか。 彼は、誰よりも熱心に新しいツールを学び、若手たちに「この機能は、あの時のトラブルを防ぐために使えるぞ」と、過去の経験を交えながら指導してくれるようになったのです。彼は、チームの「抵抗勢力」から、最も頼りになる「変革の推進者」へと、見事に変貌を遂げました。
もしあなたが、変化を拒むベテランの扱いに困っているのなら、試してみてください。
彼らを、説得しようとしてはいけません。 代わりに、彼らの経験とプライドが輝く、新しい「役割」を、与えてあげるのです。
その時、あなたのチームの「過去の遺産」は、未来を切り拓く「最強の武器」へと変わるはずです。
「BONDS-METHOD」の全体像や、今回ご紹介した以外の思考法について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。あなたのマネジメントや働き方を、根本から変えるヒントがここにあります。
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