No.20:明らかに能力が不足しており、どう育てていいか分からない。
「何度言っても、覚えてくれない」 「ウチの部の新人は、ハズレだったかもしれない…」
リーダーであれば、一度は、部下の「能力不足」に、頭を抱えたことがあるのではないでしょうか。そして、自分の指導力不足を責めたり、あるいは、部下のポテンシャルを、見限ってしまったり…。
かつての僕も、そうでした。僕の説明を、全く理解できない部下を前に、「彼には、この仕事は向いていないのだ」と、そう結論づけていました。
しかし、ある時、僕は気づいたのです。 問題は、彼の「能力」の有無ではなく、僕と彼の「コミュニケーションの言語」が、全く違っていただけなのだと。
僕は、言葉で、理論的に、全体像から説明するのが得意なタイプでした。 しかし、彼は、言葉よりも、絵や図で、視覚的に、具体的な手順からでないと、理解できないタイプだったのです。
僕は、日本語しか話せないのに、彼にずっと、英語で話しかけているようなものでした。それでは、伝わるはずがありません。
そのことに気づいてから、僕は、部下に何かを教える前に、必ず、たった一つの質問を、自分自身に投げかけるようにしました。
それは、「この部下は、何で見るのが得意で、何で聞くのが得意だろうか?」という問いです。
そして、指導法を、完全に彼に合わせて「翻訳」したのです。 口頭での説明を一切やめ、全ての指示を、豊富な図解入りのマニュアルと、箇条書きのチャットにしました。
すると、彼は、まるで別人のように、仕事を吸収し始めました。彼は「能力が低い」のではなく、ただ「僕の言葉を、彼の脳が理解できる言語に、翻訳できていなかった」だけだったのです。
もしあなたが、部下の「能力不足」に悩んでいるのなら、一度、立ち止まって考えてみてください。
あなたは、部下に、あなたの「得意な言語」で話していませんか? それとも、部下の「理解できる言語」で、話していますか?
その、ほんの少しの視点の違いが、あなたのチームの「お荷物」を、かけがえのない「エース」へと、変えるかもしれないのです。
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