No.23:誰もリスクを取ろうとせず、新しい挑戦が生まれない。
「うちのチームは、誰も新しいことに挑戦しないんだよな…」
多くのリーダーが、そう嘆きます。そして、「もっとチャレンジ精神を持て!」「失敗を恐れるな!」と、部下たちを鼓舞しようとします。
しかし、残念ながら、その言葉は、ほとんどの部下には響きません。なぜなら、彼らは、バカではないからです。
彼らは、痛いほど、知っているのです。 この会社では、**「挑戦して成功しても、少し褒められるだけ。しかし、挑戦して失敗したら、評価を下げられ、出世の道が閉ざされる」**という、残酷なゲームのルールを。
あなたなら、どうしますか? 期待値の低いギャンブルに、自分のキャリアを賭けることができるでしょうか。 ほとんどの人は、「何もしない」という、最も合理的な選択をするはずです。
そう、あなたのチームが挑戦しないのは、彼らの意欲が低いからではありません。「挑戦しない方が、得をする」という、極めて合理的な判断を、彼らがしているだけなのです。
では、どうすれば、彼らを、再び、挑戦という名の、刺激的なフィールドに引きずり出せるのか。
僕が、長年の試行錯誤の末にたどり着いた、たった一つのシンプルな答え。 それは、「失敗」そのものを、チームの「目標」にしてしまうことでした。
僕は、ある時から、チームミーティングで、こう宣言するようにしました。 「皆さん、今月の我々の目標は、売上〇〇円達成。そして、もう一つ。『新規チャレンジで、3回以上、失敗すること』です。この『失敗目標』を達成したチームには、特別ボーナスを出します」
最初は、全員、キョトンとしていました。しかし、「失敗しても怒られない。むしろ、目標達成になる」と分かった瞬間から、チームの空気は、明らかに変わり始めました。
若手は、今まで温めていた、突飛なアイデアを、嬉々として提案し始めました。ベテランは、そのアイデアの「失敗の仕方」について、楽しそうに議論し始めました。
もちろん、たくさんの失敗をしました。しかし、その失敗の山の中から、時折、ダイヤの原石のような、とんでもないイノベーションの種が、見つかるようになったのです。
もしあなたが、あなたのチームの「停滞」に、本気で危機感を抱いているのなら、一度、試してみてください。
部下に、「失敗を恐れるな」と、言うのをやめる。 そして、代わりに、こう言うのです。
「さあ、今月も、思いっきり、失敗しようぜ!」と。
その一言が、あなたのチームを、「緩やかな死」から救い出す、唯一の処方箋になるかもしれません。
「BONDS-METHOD」の全体像や、今回ご紹介した以外の思考法について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。あなたのマネジメントや働き方を、根本から変えるヒントがここにあります。
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感謝・称賛文化の欠如: 「挑戦するようにはなったが、お互いの挑戦や、そこから得られた学びを、称賛し合う文化がない。どうすれば、もっとポジティブな雰囲気になるのか?」
情報共有の不足: 「色々な挑戦が同時多発的に行われるようになったが、それぞれの学びが、チーム全体に共有されず、属人化してしまっている。どうすれば、集合知として蓄積できるのか?」
チーム目標の曖昧さ: 「挑戦は増えたが、それぞれがバラバラの方向を向いており、チーム全体の大きな成果に繋がっていない気がする。どうすれば、チームの目標を、全員が納得する形で設定できるのか?」
テーマ案1:VS チーム編 No.24「感謝や称賛の文化がなく、雰囲気がギスギスしている」
理由: 「挑戦」の次に必要なのは、その挑戦を支える「心理的安全性」です。お互いを称賛し合う文化作りは、チームの挑戦を、さらに加速させるための、重要な土台となります。
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