「何度言ったら分かるんだ!」と僕がパワハラ上司に怒られなくなった、たった一つのシンプルな習慣

「何度言ったら分かるんだ!」と僕がパワハラ上司に怒られなくなった、たった一つのシンプルな習慣[No1]

スポンサーリンク
BONDS-METHODの基本
スポンサーリンク

BONDSドリル:テーマ_VS 上司編 No1.「指示が曖昧で、手戻りが多い」

40代半ば、課長という立場でありながら、僕はいまだに上司から怒られることがある。

情けない話だが、事実だ。

特に数年前、今の事業部に異動してきたばかりの頃はひどかった。

当時の僕は、とにかく「言われたことを、言われた通りに、早くやること」が正義だと信じ込んでいた。

当時のB事業部長は、アイデア豊富で次々と新しい指示を出す、いわゆる天才肌タイプ。

僕はそのスピードに必死で食らいつき、膨大なタスクを夜遅くまでかかってこなす毎日を送っていた。

しかし、なぜか評価は上がらない。

それどころか、B事業部長の表情は日に日に険しくなり、ついに「BONDS君、君は本当に人の話をちゃんと聞いてるのか?何度言ったら分かるんだ!」と、会議室で声を荒げられてしまったのだ。

「これだけ身を粉にして働いているのに、なぜ…」

自分なりに必死でやっているのに、なぜ伝わらないのか。

悔しくて、情けなくて、僕はすっかり自信を失ってしまった。

まるで、出口のない暗いトンネルを一人でさまよっているような気分だった。

転機が訪れたのは、そんな八方塞がりの状況の時だった。

僕は自分の仕事のやり方を根本から見直す決意をし、そこで意識し始めたのが、後にBONDS-METHOD」と名付けることになる思考法の原型、特に「O:観察する力・共有する力」と「D:方向づける力と日々の実践」だった。

まず僕は、B事業部長を徹底的に「観察(Observe)」した。

彼がどんな時に機嫌が良く、どんな時に不機嫌になるのか。

彼が使う言葉の癖は?

彼が本当に達成したい「会社の目標」は何なのか?

まるで探偵のように、彼の言動の裏にある「意図」を探った。

観察を続けるうち、衝撃的な事実に気づいた。

B事業部長は、僕に「作業」を指示していたのではなく、常にその先にある「目的」を達成するための「相談」を投げかけてきていたのだ。

彼が求めていたのは、指示通りに動く手足ではなく、同じ目的に向かって共に走る「パートナー」だったのだ。

それに気づいてから、僕の行動は変わった。

指示を受けると、まず「承知いたしました。ちなみに、この件の最終的なゴールは、〇〇という認識で合っていますでしょうか?」と、仕事の「方向づけ(Direct)」を必ず確認する、というシンプルな習慣を自分に課した。

このアプローチは、後に僕が体系化した「指示解体・再構築シート」というフレームワークの核となる。

これは、曖昧な指示を、以下の5つの質問で具体的なタスクに変換する手法だ。

  1. この仕事の「目的」は?(Why)
  2. 理想の「ゴール状態」は?(What)
  3. 「制約・条件」は?(How)
  4. 「優先順位・期限」は?(When)
  5. 「合意事項」の確認(Agreement)

最初は怪訝な顔をしていた事業部長も、僕が常に「目的」と「ゴール」を意識して質問を繰り返すうち、次第に僕との会話を「壁打ち」のように使うようになった。

「BONDS君はどう思う?」と意見を求められるようになり、いつしか僕は、彼の最も信頼する戦略的パートナーの一人になっていた。

「何度言ったら分かるんだ!」

あの日、僕に足りなかったのは、能力や努力ではなかった。

上司の言葉の表面だけをなぞるのではなく、その裏にある意図や目的を「観察」し、仕事全体の「方向づけ」を共有しようとする、たった一つのシンプルな習慣だったのだ。

もしあなたが、かつての僕のように、頑張りが空回りして評価されない苦しみを抱えているなら、一度立ち止まって、あなたの「上司」を観察してみてほしい。

その人は、あなたに何を求めているだろうか。単なる作業者だろうか?それとも…?

答えは、きっとそこにある。


BONDS-METHOD」の全体像や、今回ご紹介した以外の思考法について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。

あなたのマネジメントや働き方を、根本から変えるヒントがここにあります。


次に読んで欲しい記事

ゴールの変更への対応: 「指示を明確にするツールは手に入れた。しかし、そもそも上司の言うこと(ゴール)がコロコロ変わる場合はどうすればいいのか?」

対人関係への懸念: 「質問を繰り返すことで、上司に『細かすぎる』『反抗的だ』と思われないか?関係性を損なわずに意図を引き出す、より高度なコミュニケーション術が知りたい」

部下への応用: 「このメソッドを、自分が部下に指示を出す際にどう活かせばいいのか?『曖昧な指示を出す上司』に、自分がならないための方法を知りたい」

テーマ案1:VS 上司編 No.2「言うことがコロコロ変わる」

指示の「曖昧さ」を解決したあなたが次に直面するのは、指示の「一貫性のなさ」です。

テーマ案2:VS 自分自身編 No.36「部下に嫌われたくない、という気持ちが強く、厳しいことが言えない」

 「質問で関係性を損ないたくない」という疑問の予測に応えるテーマです。対人関係の不安を解消し、より本質的な信頼関係を築くための心理的アプローチを解説できます。

テーマ案3:VS 部下編 No.11「指示待ちで、自分から動こうとしない」

理由: 「部下への応用」という疑問に直接答えるテーマです。自分が学んだことをチームに還元し、リーダーシップを発揮する視点を提供することで、読者の成長をさらに一段階引き上げることができます。

コメント