「飲み会に来ない部下」を、無理やり誘うのをやめたら、チームの成果が上がった話

「飲み会に来ない部下」を、無理やり誘うのをやめたら、チームの成果が上がった話[No16]

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No.16:プライベートを優先し、チームへの貢献意欲が低いと感じる。

「仕事の後の飲み会こそ、本音で語り合える最高のチームビルディングだ」

かつての僕は、そう固く信じていました。しかし、定時で即帰り、飲み会には一切参加しない若手社員を前に、その信念は、もはや時代遅れの幻想なのだと、思い知らされる日々でした。

彼らを「付き合いが悪い」と切り捨てるのは簡単です。しかし、それでは、リーダーとして思考停止しているのと同じです。僕は、悩んだ末に、一つの大きな「実験」をすることにしました。

それは、「チームの一体感」という、曖昧な目標を追いかけるのを、きっぱりとやめることです。

そして、代わりに、たった一つの、極めてドライな目標をチームに課しました。 それは、**「チーム全員が、絶対に一日も残業せず、毎日定時で帰る」**という目標です。

その上で、チームの目標達成への貢献度を、徹底的に「見える化」しました。誰が、チームの生産性を上げ、誰が、足を引っ張っているのかを、客観的な数字で明らかにしたのです。

すると、驚くべきことが起きました。

これまで、他人の仕事に無関心だった、あのドライな若手社員が、自ら率先して、仕事が遅れている同僚を手伝い始めたのです。

僕は、彼に尋ねました。「なぜ、手伝っているんだ?」と。 彼は、あっさりとこう答えました。 「あの人の仕事が遅れると、僕が定時で帰れなくなるじゃないですか。だから、手伝った方が、合理的ですよね?」

その瞬間、僕は理解しました。 彼らは、チームに貢献したくないわけではなかった。ただ、「チームに貢献することが、自分自身の利益に繋がる」という、合理的な理由が見えていなかっただけなのだと。

僕たちは、無意識のうちに、「チームのために」という、自分たちの世代の「正義」を、価値観の違う部下に押し付けてしまっています。

しかし、彼らは、彼らなりの「正義」を持っています。それは、「プライベートの時間を、何よりも大切にする」という正義です。

もしあなたが、部下との価値観のギャップに悩んでいるなら、一度、試してみてください。 彼らの「正義」を否定するのではなく、むしろ、それを利用してみる。

「君が、定時で帰るために、チームに貢献しろ」と。

それは、一見、利己的に見えるかもしれません。しかし、その先にこそ、世代を超えた、本物のチームワークが生まれるのだと、僕は信じています。


BONDS-METHOD」の全体像や、今回ご紹介した以外の思考法について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。あなたのマネジメントや働き方を、根本から変えるヒントがここにあります。

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