BONDS-METHODドリル:テーマ_VS 上司編 No.9「自分のキャリアについて、この人には相談できないと感じる」
「君の将来を思って、あえて厳しいことを言うが…」
「この異動は、君のキャリアにとって、必ずプラスになる経験だ」
あなたの上司は、本当にあなたの「将来」を考えてくれているのでしょうか?
もちろん、本心からそう信じている、善良な上司もいるでしょう。
しかし、僕たちは、時に残酷な真実と向き合わなければなりません。
それは、会社という組織において、あなたの上司の最優先ミッションは、「あなたのキャリア実現」ではなく、「部署の目標達成」である、という事実です。
あなたの夢や希望は、部署の欠員補充や、短期的な売上目標の前では、いとも簡単に「二の次」にされてしまう。
それが、会社というシステムの構造的な限界なのです。
かつての僕も、「上司は自分のキャリアを見てくれているはずだ」と信じていました。
しかし、その結果待っていたのは、僕の希望とは全く異なる部署への異動辞令でした。
「これも良い経験だ」という言葉を、僕はただ受け入れるしかありませんでした。
このままでは、僕のキャリアは、会社の都合という名の波に、ただ流されていくだけだ。
そう気づいた時、僕は「キャリアを相談する」のをやめました。
代わりに、僕が始めたのは、たった一つのシンプルなことでした。
それは、自分のやりたいことを「会社の利益」という言葉に翻訳して、上司に「交渉」することです。
例えば、「海外で働きたい」というあなたの夢。
これを、「グローバルな視点を身につけたい」という自己成長の文脈で話しても、上司の心には響きません。
しかし、こう翻訳したらどうでしょうか。
「当社の最重要課題であるアジア市場の開拓において、私の〇〇というスキルを活かし、3年で売上を2倍にします。
そのために、私をアジア支社に異動させていただきたい」
これは、もはや「相談」ではありません。
会社にとって、極めて魅力的な「投資提案」です。
そして、こう付け加えるのです。
「もし私が異動できない場合、会社はアジア市場で年間〇〇円の利益を得る機会を失うことになりますが、そのリスクについてどうお考えですか?」
あなたのキャリアは、誰かに与えられるものではありません。
あなた自身が、戦略を持って掴み取りにいくものです。
もしあなたが、今のキャリアに不安を感じているなら、一度、あなたの「夢」を、会社の「利益」に翻訳する作業をしてみてはいかがでしょうか。
それは、あなたという「個人」を、会社にとって「かけがえのない資産」へと変える、最も確実な一歩になるはずです。
「BONDS-METHOD」の全体像や、今回ご紹介した以外の思考法について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。
あなたのマネジメントや働き方を、根本から変えるヒントがここにあります。
- BONDS-METHODの全体像や思想についてさらに詳しく知りたい
- note記事: (https://note.com/bonds_swift1981/n/nee2435a4f8e6)
- ブログ記事: (https://quadkinghd.com)
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