BONDS-METHODドリル:テーマ_VS 上司編 No.4「責任を取らず、手柄だけ持っていく」
「今回の成功は、私の指導の賜物だ」
役員会議で、上司が高らかに宣言する。
そのプロジェクトのために、僕が、僕のチームが、どれだけ身を粉にして働いたか、彼は知っているはずなのに。
会議室の隅で、僕たちはただ、握りこぶしを作ることしかできなかった。
会社という組織にいると、避けては通れない理不尽の一つが、この「手柄の横取り」問題ではないでしょうか。
美味しいところだけを持っていき、面倒なことや失敗の責任は部下に押し付ける。
そんな上司の下で働くことは、魂を少しずつ削り取られていくような、終わりのない苦痛です。
かつての僕も、この問題に長年苦しめられてきました。
「いつか誰かが見てくれる」と信じても、その「いつか」は永遠に来ない。
正面から抗議すれば「和を乱すな」と睨まれる。まさに八方塞がりでした。
しかし、ある時、僕は気づいたのです。
この問題を解決する鍵は、上司を「変えよう」とすることではない。
手柄を横取りされる「隙」を、物理的に無くしてしまえばいいのだ、と。
僕が編み出した、そのための武器は、たった一つのシンプルなルールでした。それは、「全ての報告は、オープンな場で、関係者全員を巻き込んで行う」というものです。
例えば、何か成果が出た時。
僕は、上司個人に口頭で報告するのをやめました。代わりに、必ずメールを使い、CCには関係部署のキーパーソン、時には上司の上司まで含めるようにしたのです。
そして、メールの本文には、こう書き添えます。 「この成果は、〇〇さん(同僚)の分析と、△△さん(後輩)の資料作成のおかげです。本当にありがとう」
たった、これだけです。
これを徹底してから、僕の周りでは「手柄の横取り」がほぼ消滅しました。
なぜなら、僕の上司は、僕のチームの貢献を、関係者全員が知っているという「公然の事実」の前で、もはや「自分の手柄だ」と嘘をつくことができなくなったからです。
彼は、僕を責めることもできません。
僕はただ、関係者に「報告」と「感謝」を伝えているだけなのですから。
もしあなたが、自分の努力が誰かの勲章に変わる理不尽に苦しんでいるなら、試してみてください。
次に何かを報告する時、その宛先に、もう一人、第三者を加えてみる。
それは、あなた自身と、あなたのチームの努力を守るための、最も静かで、最も効果的な戦い方なのです。
「BONDS-METHOD」の全体像や、今回ご紹介した以外の思考法について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。
あなたのマネジメントや働き方を、根本から変えるヒントがここにあります。
- BONDS-METHODの全体像や思想についてさらに詳しく知りたい
- note記事: (https://note.com/bonds_swift1981/n/nee2435a4f8e6)
- ブログ記事: (https://quadkinghd.com)
次に読んで欲しい記事
評価の正当性: 「手柄は守れるようになった。しかし、成果を出しても、結局は上司の“好き嫌い”で評価が決まっている気がする。この不公平感をどうすればいい?」
感情的な対立への対処: 「オープンな報告をしたら、上司から『俺を信用できないのか』と感情的に詰められた。相手を刺激せず、この戦略を遂行するための高度な心理テクニックが知りたい」
チームへの還元: 「自分が手柄を守るだけでなく、チームメンバー全員が正当に評価される文化を作りたい。そのために、リーダーとして具体的に何をすべきか?」
テーマ案1:VS 上司編 No.5「自分の評価が正当にされているか不安」
理由: 「手柄」の問題を解決した読者の関心は、より直接的な「評価」そのものへと移行します。読者のキャリアに直結する切実なテーマであり、強いエンゲージメントが期待できます。
テーマ案2:VS 上司編 No.6「感情の起伏が激しく、精神的に疲弊する」
理由: 「上司を感情的にさせないか」という懸念に応えるテーマです。論理的な防衛術の次に、感情的な対立を避けるための対人スキルを提供することで、読者の武器を増やします。
毎日ビクビクしてた僕が、上司の「怒り」を“感謝”に変えた、たった一つの考え方[No6]
テーマ案3:VS チーム編 No.24「感謝や称賛の文化がなく、雰囲気がギスギスしている」
理由: 「チームへの還元」という視点を提供するテーマです。個人の問題解決から、チーム全体の文化醸成へと、読者の視座を引き上げ、リーダーとしての成長を促します。
コメント