個人事業と法人の違い
先ほども少し触れましたが、個人事業と法人は全く違うものです。
ここでは簡単に個人事業と法人の違いを説明します。
設立時の違い
法人は株主などの出資者が出資をして設立します。
登記や定款などの作成が必要で、設立費用も20万円~30万円ほど必要です。
個人事業は所轄の税務署に「開業届」を提出すればOKです。
法務局に登記をするなどの手間やお金はかかりません。
廃業時の違い
また、万が一廃業するときにも個人は税務署に届け出を出すだけですが、
法人の場合は解散や清算の登記などの手続きに時間とお金がかかります。
税金の仕組みの違い
さらに、個人事業と法人では税金の仕組みが違います。
個人事業で適応される制度は累進課税と呼ばれるもので、所得が高くなればなるほど税率が高くなります。
最も高い場合は所得税、住民税50%を超えます。
そのため、利益が出たときは個人事業が不利になることもあります。
法人はある程度税率が決まっていて、法人税、法人住民税合わせておおよそ30%前後です。
しかし赤字でも最低7万円の税金がかかるため、利益が低い時は不利になることもあります。
[起業準備]5. 青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書
個人事業主か法人で迷ったら
こういった理由で、一般的に個人事業主は所得が低い場合は有利、所得が高い場合は不利、法人は所得が低い場合は不利、所得が高い場合は有利といわれています。
個人事業主として成功すると法人化するのはそうした理由からです。
また、所得に関係なく信用面での問題から法人を選ぶ方もいらっしゃいます。
法人と取引する際、個人事業主よりも法人の方が仕事に繋がりやすいケースがあります。
なかには、社内手続きの煩雑さから個人事業主との取引はしないという会社もありますので、独立する際は、これらの違いを参考に個人事業主か法人かを選びましょう。