S&P500に連動する投資信託一覧
米国の主要企業に幅広く投資したいときに便利な指数『S&P500』。
『S&P500』に連動する投資信託を一覧でまとめるとともに、コストや純資産残高を比較します。
- コストで選ぶなら『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』
- 純資産残高で選ぶなら『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』
- つみたてNISAで投資できるS&P500の投資信託は現時点で8本
ファンド名 | 純資産 (億円) | 信託報酬 (税込) | つみたて NISA | 運用会社 |
---|---|---|---|---|
SBI・バンガード・ S&P500インデックス・ ファンド | 1,160 | 0.0938% | 〇 | SBIアセットマネジメント |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 2,547.7 | 0.0968% | 〇 | 三菱UFJ国際投信 |
つみたて米国株式(S&P500) | 1.5 | 0.22% | 〇 | 三菱UFJ国際投信 |
Smart-i S&P500インデックス | 2.5 | 0.242% | 〇 | りそなアセットマネジメント |
iFree S&P500 インデックス | 183 | 0.2475% | 〇 | 大和アセットマネジメント |
NZAM・ベータ S&P500 | 0.4 | 0.2673% | 〇 | 農林中金全共連 アセットマネジメント |
iシェアーズ 米国株式 インデックス・ファンド | 52.7 | 0.4125% | × | ブラックロック・ジャパン |
農林中金<パートナーズ> つみたてNISA米国株式 S&P500 | 32.5 | 0.4983% | 〇 | 農林中金全共連 アセットマネジメント |
米国株式インデックス ・ファンド | 60.3 | 0.506% | 〇 | ステート・ストリート・ グローバル・アドバイザーズ |
農林中金<パートナーズ> 米国株式 S&P500 インデックスファンド | 6.6 | 0.6083% | × | 農林中金全共連 アセットマネジメント |
iFreeレバレッジ S&P500 | 41 | 0.99% | × | 大和アセットマネジメント |
『S&P500』は、米S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が提供するアメリカの代表的な株価指数です。米国の主要な上場企業500社の株価をもとに算出されており、その時価総額は米国株式市場全体の約80%をカバー。米国株式市場に投資する投資信託などにおいて、ベンチマークとして幅広く活用されています。
S&P500との連動を目指す投資信託であれば、基本的にどのファンドもほぼ同じ値動きをします。従って、なるべくコストの少ないファンドを選ぶことが、利益を獲得する上で重要といえるでしょう。
信託報酬は、年間で税込み0.0938%。100万円を運用したとしても、かかるコストは年間たったの938円です。
『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』の次に信託報酬が少ないのは、三菱UFJ国際投信の『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』です。信託報酬は、年間で税込み0.0968%以内。『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』と比較しても、遜色ない低コストぶりです。
純資産残高は約2,547.7億円で、2021年1月29日時点でもっとも運用残高の多いS&P500に連動する投資信託です。より多くの人が資産を預けている観点から、人気のファンドといえるでしょう。
三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズは、業界最低水準の運用コストを目指すインデックスファンド・シリーズ。今後も引き続き、比確的安い信託報酬での運用が期待できそうです。
つみたてNISA対象商品もある
2021年3月1日現在、S&P500に連動する投資信託では下記の8ファンドがつみたてNISAの対象商品になっています。
ファンド名 | 運用会社 |
---|---|
米国株式インデックス・ファンド | ステート・ストリート・ グローバル・アドバイザーズ |
iFree S&P500インデックス | 大和アセットマネジメント |
農林中金<パートナーズ> つみたてNISA米国株式 S&P500 | 農林中金全共連 アセットマネジメント |
NZAM・ベータ S&P500 | 農林中金全共連 アセットマネジメント |
eMAXIS Slim 米国株(S&P500) | 三菱UFJ国際投信 |
つみたて米国株式(S&P500) | 三菱UFJ国際投信 |
SBI・バンガード・ S&P500インデックス・ ファンド | SBIアセットマネジメント |
Smart-I S&P500インデックス | りそなアセットマネジメント |
金融庁のHPを基に作成
先述の『iFreeレバレッジ S&P500』など、S&P500に連動する投資信託の一部はつみたてNISAの対象外になっています。つみたてNISAを活用した資産形成を考えている場合は、あらかじめ対象ファンドを確認しておくと安心です。
S&P500の投資メリットとは?
市場成長が続く米国株への投資が加熱する中、押さえておきたいのが株価指数S&P500への投資です。S&P500はアメリカの株式市場全体を反映する指数とされ、投資先は「S&P500だけでいい」と考える投資家もいるほど注目を集めています。
この記事では、S&P500への投資メリットや取引方法について解説します。併せて、今後の動向や注意したいリスク要因についても触れていますので参考にしてください。
S&P500は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)やNASDAQなどに上場している銘柄から選出された500銘柄で構成される株価指数です(※2021年12月31日現在505銘柄)。
対象の時価総額はアメリカの株式市場の総額約8割を占めることから、市場動向の指標として広く活用されています。算出者はインデックス・プロバイダー「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス」です。
S&P500は時価総額加重平均型の株価指数で、以下の式で算出されます。
構成銘柄の時価総額の合計÷基準点の時価総額合計÷除数
(※除数=指数に連続性を確保するための数値)
S&P500の構成銘柄
S&P500の構成銘柄は、一定の時価総額(2021年11月時点で131億ドル以上)や4期連続黒字、浮動株比率50%以上などの条件を満たすアメリカ国内の優良企業です。構成銘柄は、年4回必要に応じて入れ替えが行われます。構成比率は時価総額が大きいほど高くなり、上位は、GAFAM(Google・Apple・Facebook・Amazon・マイクロソフト)と呼ばれるビッグ・テックやテスラなどが占めています。
【構成比率上位10銘柄(2021年12月31日時点)】
アップル | 情報技術 |
マイクロソフト | 情報技術 |
アマゾン・ドット・コム | 一般消費財 |
アルファベットA (Goolge) | 電気通信サービス |
テスラ | 一般消費財 |
アルファベットC (Goolge・議決権なし) | 電気通信サービス |
メタ・プラットフォームズA (Facebook) | 電気通信サービス |
NVIDIA | 情報技術 |
バークシャー・ハサウェイB | 金融 |
ユナイテッドヘルス・グループ | ヘルスケア |
S&P500への投資が注目される理由
S&P500は、大型株から新興株、各セクターを広くカバーしています。米国株式の指標ともされる指数であるため、米国株への投資は「S&P500だけでいい」と考える人も少なくありません。かの投資家ウォーレン・バフェットも個別株よりもS&P500への投資を勧めるほどです。
S&P500への投資が注目される理由は大きく2つがあります。
長期的に上昇を続けている
米国株は、過去リーマンショックやコロナショックなどの大幅下落局面もありましたが、過去30年間上昇を続けています。これは、アメリカの経済が成長を続けてきたからです。
S&P500はアメリカ株式市場をほぼ反映しており同様に上昇を続けています。S&P500に投資しておけばアメリカ株式全体への投資へと同等のパフォーマンスが期待できるのです。
株価指数の上昇率においてはNASDAQ100の方が上回りますが、新興企業が中心ということもあり変動幅が大きくなります。リスクを抑えて長期的に運用したい場合には、S&P500が選択肢として有効でしょう。
分散投資が手軽に実現できる
分散投資は投資リスクを抑えるために欠かせない手法ですが、個別株で分散投資を実現するには銘柄選択や購入など大きな手間がかかります。
米国企業についての情報収集は、身近な国内企業とは異なり簡単ではありません。
S&P500は11業種・優良500社を対象とした指数ですので、S&P500へ投資するだけで分散投資が実現します。
これから米国株への投資をお考えの初心者の方も投資しやすいでしょう。
S&P500をベンチマークとする投資信託
投資信託には、S&P500に連動するETFを組み入れている商品やS&P500の組み入れ銘柄でポートフォリオを組んでいる商品などがあります。これらのインデックスファンドを利用することで、S&P500への投資同等のパフォーマンスを期待できるでしょう。
投資信託は信託報酬がETFよりも高めとなる傾向ですが、金額単位の投資が可能です。
つみたてNISAで運用できる商品がある点も、長期的な運用をお考えの方にメリットとなります。
投資信託は非上場のため、基準価額での取引となり相場変動時にリアルタイム取引ができないことがデメリットです。また、取引コストが低く抑えられたインデックスファンドであっても、ETFと比較するとコストは一般的に大きくなります。
S&P500の今後はどうなる?
S&P500へ投資する際には、今後の見通しや、想定されるリスク要因についても理解しておく必要があります。
堅調な推移が期待されている
米国株は下落局面もありましたが、何度も回復し成長を続けています。直近では2020年春に新型コロナウイルスの感染拡大懸念により暴落しましたが、その後半年ほどで回復し上昇を続けています。
アメリカの経済成長を支えているのは、人口の増加です。アメリカの総人口は、2020年時点で3億3,145万人あまりで、10年前と比較して7.4%増加しています。かつてほどの勢いではありませんが増加傾向が続いており、国連による世界人口予測(2019年)によると2050年には3億8,000万人目前です。
人口の増加は労働力の増加でもあり、経済成長が期待できます。一時的に経済が停滞した場合でも、積み上げられた消費者需要が表面化するベントアップデマンドにより強い回復が期待できるでしょう。
さらに、アメリカは世界経済の中心であり、最もイノベーションが活発です。現在好調のGAFAMをはじめ、IT関連企業の先行き予測も好調で、市場では引き続き企業業績は上がると予測されています。
このような背景から、アメリカ経済は長期的に成長を続け、その動きを反映するS&P500も堅調な推移が期待されています。
注意したいリスク要因
S&P500は過去30年スパンで見ると成長していますが、将来が保証されているわけではありません。これまで短期的には大きな下落も経験しています。
コロナショック以降は上昇基調が続いているものの、BofA(バンクオブアメリカ)をはじめ、近い将来の調整を予測している専門家も少なくありません。
インフレ率の上昇や利上げなどをきっかけに、短期的に下落する可能性もあるでしょう。
また、新型コロナウイルスによる経済停滞にも注意が必要です。ワクチンの普及で経済活動は回復してきましたが、新たな変異株の脅威により、再び停滞する可能性もあります。サプライチェーン危機の懸念もあるでしょう。
日本からS&P500に投資する場合には、為替リスクも生じます。ドル建てで値上がりしていたとしても、ドル円が購入時よりも大きく円安に振れていれば、マイナスとなるケースも出てきます。
楽天eMAXISSlim投資信託
運用(委託)会社 :三菱UFJ国際投信