「で、結局いくら給料は上がるんだ?」昇進の喜びの裏にあった、生々しい本音
係長時代、毎月の給与明細を見るたびに、ため息混じりにこう思っていました。 「あと月5万円、いや3万円でも給料が上がれば、生活はもっと楽になるのに…」
家族との将来、子どもの教育費、そして自分のささやかな楽しみ。考えれば考えるほど、お金はいくらあっても足りないように感じていました。
そんなある日、ついに上司から課長昇進の内示を受けたのです。込み上げる喜びと、これまでの努力が報われたという達成感。しかし、その高揚感とほぼ同時に、私の頭をよぎったのは、極めて現実的で、少し生々しい疑問でした。
「で、結局、給料はいくら上がるんだ?」
綺麗事ではなく、これが私の偽らざる本音でした。あなたも、きっと同じではないでしょうか?昇進という名誉はもちろん嬉しい。しかし、それによって生活がどう変わるのか、具体的な「数字」が知りたい。そう思うのは、家族や自分の人生に責任を持つ人間として、至極当然のことです。
この記事では、そんなあなたの疑問に、現役課長である私が、自身のリアルな体験談を交えながら、真っ向からお答えしていきます。
この記事を最後まで読めば、あなたは、
- 課長昇進による年収アップの具体的な金額イメージ
- 給与明細のどこがどう変わるのかというリアルな内訳
- 係長のままでいる場合との「生涯年収」の衝撃的な差額
- そして、増えた収入を「本当の豊かさ」に変えるための思考法
これら全てを、手にすることができます。さあ、少しだけ生々しい、しかしあなたのキャリアにとって非常に重要な「お金」の話を始めましょう。
結論から言います。私の場合は年収「170万円」アップしました
もったいぶっても仕方ないので、結論からお話しします。 私が係長から課長に昇進した際、年収は約680万円から約850万円へ、およそ「170万円」アップしました。
月収にすると約10万円、それに加えてボーナスの算定基準も上がるため、年間にするとこのくらいのインパクトになります。正直、初めて昇進後の給与明細を見たときは、思わず「おぉ…」と声が漏れたのを覚えています。
もちろん、これはあくまで私個人のケースであり、会社の規模や業界、年齢によって大きく異なります。しかし、一つのリアルな事例として、あなたのキャリアプランの参考になれば幸いです。
一般的にはどうなの?公的データで見る「課長のリアルな年収」
では、私のケースは一般的なのでしょうか?厚生労働省が発表している「令和5年賃金構造基本統計調査」を元に、客観的なデータを見てみましょう。
役職 | 男性の平均賃金(月額) | 女性の平均賃金(月額) |
---|---|---|
部長級 | 約59.3万円 | 約52.5万円 |
課長級 | 約48.9万円 | 約44.2万円 |
係長級 | 約37.0万円 | 約32.8万円 |
非役職者 | 約29.4万円 | 約25.3万円 |
(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」よりBondsが作成)
このデータを見ると、男性の場合、係長級と課長級の月額賃金の差は約11.9万円。単純に12ヶ月で計算すると、年間で約142.8万円の差が生まれることになります。これにボーナスが加わることを考えると、私の「170万円アップ」という数字も、平均から大きく外れてはいないことが分かります。
【給与明細ビフォーアフター】年収アップのリアルな内訳を解説
では、具体的に給与明細のどこがどう変わるのでしょうか。私のケースを元にした、簡略的なビフォーアフターイメージをご覧ください。
項目 | 係長時代(月収例) | 課長時代(月収例) | 変化のポイント |
---|---|---|---|
基本給 | 350,000円 | 420,000円 | 昇格によりベースが大幅アップ |
役職手当 | 20,000円 | 80,000円 | 管理職としての責任の対価 |
残業代 | 50,000円(20h分) | 0円 | 管理監督者となり、残業代はつかなくなる |
その他手当 | 30,000円 | 30,000円 | 変わらず |
総支給額 | 450,000円 | 530,000円 | 月額面では8万円のアップ |
最大のポイントは「残業代」です。 多くの会社では、課長以上の管理職は労働基準法上の「管理監督者」とみなされ、残業代の支給対象外となります。(その代わり、役職手当が大幅に増えます)
プレイヤー時代のように「残業して稼ぐ」という発想が通用しなくなるため、「時間内にいかに成果を出すか」という生産性がより強く求められるようになるのです。
【衝撃】生涯年収シミュレーション!その差、なんと「家一軒分」!?
月収10万円、年収170万円の差。これでも十分に大きいですが、この差が定年まで続くと考えると、そのインパクトはさらに衝撃的なものになります。
【超シンプル生涯年収シミュレーション】
- Aさん: 35歳で課長に昇進し、年収850万円を60歳まで維持
- Bさん: 昇進せず、係長クラスの年収680万円を60歳まで維持
Aさんの生涯年収(35歳〜60歳): 850万円 × 25年間 = 2億1,250万円
Bさんの生涯年収(35歳〜60歳): 680万円 × 25年間 = 1億7,000万円
その差額は、なんと**「4,250万円」。 もちろん、これは税金や昇給を考慮しない極端なモデルですが、それでも昇進するかしないかで、生涯に手にするお金が「都内の新築マンション一部屋分」あるいは「地方の家一軒分」も変わってくる**可能性があるのです。これは、自分のキャリアを考える上で、無視できない事実ではないでしょうか。
年収アップは「手段」。人生を豊かにするBONDS式・お金の使い方
さて、ここまで具体的なお金の話をしてきました。しかし、私が本当に伝えたいのはここからです。 年収が170万円アップしても、ただそれだけで人生が豊かになるわけではありません。上がった分だけ生活水準を上げてしまえば、いつまで経ってもお金の不安は消えないでしょう。
大切なのは、増えた収入という**「資源」を、あなたの人生の「目的」**のために、いかに戦略的に使うか。そのための思考法こそが、私の提唱する「BONDS-METHOD」です。
【B】Build:未来の自分を「築く」自己投資に使う
増えた収入の一部は、未来の自分への投資に使いましょう。最高の資産は、あなた自身の知識と健康です。
- スキルへの投資: 書籍の購入、セミナーへの参加、資格取得など。
- 健康への投資: フィットネスクラブの会費、質の高い食材、人間ドックなど。
- 経験への投資: 行ったことのない場所へ旅行する、新しい趣味を始めるなど。
【O】Observe:お金の流れを「観察」し、最適化する
収入が増えた今こそ、家計の全体像を客観的に把握するチャンスです。
- 家計簿アプリなどを使い、収支を「見える化」する。
- 固定費(通信費、保険料など)を見直し、無駄な支出を徹底的に洗い出す。
- 浮いたお金を、次に解説する「N」や「D」へと回していきます。
【N】Nurture:大切な人との関係を「育む」ために使う
お金は、人間関係を豊かにするための強力なツールにもなります。
- 家族への投資: 家族旅行の予算を増やす、配偶者にプレゼントをする、子どもの教育の選択肢を広げる。
- 仲間への投資: お世話になった後輩にご馳走する、友人の祝い事を盛大にやる。
- お金そのものではなく、お金によって得られる「楽しい時間」や「感謝の気持ち」が、人生を豊かにしてくれます。
【D】Direct:明確な「目標」へと、お金を方向づける
「なんとなく貯金」から卒業し、明確な目標に向かってお金を動かしましょう。私の場合は、プロフィールにもある通り「サイドFIRE」が大きな目標です。
- 資産運用: NISAやiDeCoなどを活用し、将来のためにお金にも働いてもらう。
- 目標の具体化: 「〇〇歳までに、資産〇〇円」という具体的な目標を立て、そこから逆算して毎月の積立額を決める。
私がこの資産運用やお金の考え方を学ぶ上で、最も影響を受けたのが、YouTubeやブログで大人気の両学長による『本当の自由を手に入れる お金の大学』です。家計管理から、保険、投資、副業まで、お金にまつわる実践的な知識がこの一冊に詰まっています。年収が上がり、お金と向き合おうと決めたあなたの、最初の教科書として最適です。
- 『本当の自由を手に入れる お金の大学』のAmazonでの詳細はこちら
【S】Support:「支援」を得て、お金の不安をなくす
お金の悩みは、一人で抱え込む必要はありません。専門家のサポートを借りたり、家族の理解を得たりすることが重要です。
- 専門家を頼る: 必要であれば、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談し、客観的なアドバイスをもらう。
- 家族と共有する: 家計の状況や将来の目標について、家族とオープンに話し合い、協力体制(サポート)を築く。
昇進は、人生の選択肢を増やす「切符」である
課長への昇進は、年収という分かりやすい形であなたに報いてくれます。しかし、それはあくまで、あなたがこれから背負う大きな責任と、出すべき成果への「対価」です。
そして、その増えた収入は、あなたの人生の「ゴール」ではありません。 それは、これまで諦めていたかもしれない新しい挑戦を可能にし、大切な人を守り、あなた自身の未来を豊かにするための、選択肢を増やしてくれる「切符」なのです。
その切符をどう使うかは、あなた次第。ぜひ、この記事をきっかけに、ご自身のキャリアとお金の関係について、じっくりと考えてみていただけたら嬉しいです。
「お金とキャリア」を考えるためのアクションリスト
この記事を読んだら、ぜひ3つのアクションを試してみてください。
- □ 会社の給与テーブルや人事評価制度の資料に、改めて目を通してみる。
- □ 5年後、10年後の自分の「理想の年収」と、そのために必要なスキルや役職を紙に書き出してみる。
- □ もし今の給料が月5万円増えたら、その使い道を「自己投資」「家族」「将来」の3つの視点で具体的にシミュレーションしてみる。
次に読むべき記事のご提案
年収が上がり、BONDS-METHODでお金の使い方の指針も手に入れたあなた。次なるステップは、会社の給与という一本足打法から脱却し、収入の柱を複数持つことではないでしょうか。それは、私の目標でもある「サイドFIRE」への、具体的で力強い第一歩となります。
そこで、次にあなたに読んでいただきたい記事のテーマは、**「【40代から始める】会社員でも安心!月5万円の不労所得を目指す、超初心者向け“高配当株”投資入門」**です。
私が実践している投資法の中から、特に再現性が高く、忙しい会社員でも始めやすい「高配当株投資」について、銘柄選びのポイントから、具体的な買い方までをゼロから解説します。ご期待ください。
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