企業型確定拠出年金とiDeCoを併用したい

2022年は、順次、確定拠出年金制度の改正が予定されています。とくに注目しておきたいのが、2022年10月からの企業型確定拠出年金(企業型DC=401k)とiDeCo(個人型確定拠出年金)との併用に関する改正です。
すでに企業型DC(401k)制度を導入している企業については、従業員からのiDeCo併用についての質問があるかもしれません。iDeCo併用の場合には掛金額に影響が及びますので、改正の内容をきちんと理解し、備えておきましょう。
今回は、企業型DCとiDeCoの併用に注目し、掛金額の上限について、解説していきます。

そもそも確定拠出年金には、企業型確定拠出年金(企業型DC=401k)と個人型確定拠出年金(iDeCo)の2種類があります。その名のとおり、企業型DCは基本的に会社が従業員の退職金制度や福利厚生制度として導入するものであり、iDeCoは個人が加入するものになります。

①企業型DC(401k)の特徴
企業型DC(401k)は、会社が毎月一定額の掛金を拠出し、従業員が運用する制度です。厚生年金保険の適用事業所であれば、導入が可能です。従業員の退職金制度など福利厚生として制度導入するケースが増えており、中小企業や1人社長のような企業にも活用されています。加入できるのは、制度を導入した会社の役員もしくは従業員であり、厚生年金被保険者であることが前提です。会社の規約で加入対象者の範囲を定めることも可能です。
企業型DC(401k)の加入には、原則60歳未満(規約に定めることで65歳まで可能)という一定の年齢制限があります。2022年5月からは規約に定めることで、70歳未満まで加入が可能となります。会社の定年退職年齢や退職金制度に合わせて、適切な年齢設定を行うことをおすすめします。
企業型DC(401k)制度の設計や規約などの仕組みづくりは、会社が行っていくものですが、実際に拠出された掛金の運用自体は、従業員が行なっていきます。
定期預金や投資信託といった用意された金融商品のラインアップの中から、従業員が自分自身で選択し、運用していくことが最大の特徴です。従業員の運用次第で将来もらえる受給金額が変動するというわけです。反対に、会社は運用上の責任を負うことはありません。確定した給付金額を補償しなければならない確定給付型年金制度と違い、将来の受給額が変動することになります。
掛金については、原則、会社が拠出します。掛金をいくらにするかなど、規約に定めることになります。損金算入できるため、節税効果も期待できます。

②iDeCoの特徴
iDeCoは個人型確定拠出年金の愛称で、確定拠出年金法に基づいた私的年金制度です。銀行、証券会社をはじめ、多くの金融機関で取り扱っています。
原則、20歳以上であれば誰でも加入が可能です。掛金は自分自身で拠出し、運用を行っていきます。掛金や運用益などが非課税となる税制上のメリットの大きい制度です。2022年5月からはiDeCoに加入できる年齢要件が拡大され、60歳までの加入資格が65歳までとなります。より多くの方が加入可能となりますので、すでに60歳を目前にしている方も、60歳以降も掛金を拠出したい場合には、引き続き利用することが可能となります。

2022年10月〜企業型DC(401k)とiDeCoとの併用要件が緩和

超高齢社会に突入した今、公的年金だけに頼らず、自助努力によって将来資産を形成することが重要といわれています。国もその後押しとして、さまざまな法改正を進めています。2022年5月からは、企業型DC(401k)とiDeCoが双方ともに、加入年齢の要件が拡大され、より利用しやすい制度へと変化します。
さらに、2022年10月からは原則、企業型DC(401k)に加入者であっても、iDeCoへの加入が可能となります。これまで企業型DC(401k)の加入者でiDeCoに加入できるのは、iDeCo加入を認める規約を定めた会社に限られていました。
今後は、会社で規約を定めなくても、iDeCoへの加入が自由に行えるというわけです。個人個人がより積極的に将来の資産形成を行える土台づくりが可能となりました。

企業型DC(401k)のマッチング拠出とiDeCoの違い

自分にあった商品を選びましょう
2022年10月から併用が可能となる企業型DC(401k)とiDeCo。ただし、企業型DC(401k)でマッチング拠出のしくみを取り入れている場合には、注意が必要です。
企業型DC(401k)は、原則、会社が掛金を拠出します。この会社掛金に、加入者本人が上乗せして掛金を拠出することができる「マッチング拠出」というしくみがあります。
加入者自身で掛金を拠出する点は、マッチング拠出もiDeCoも同様です。ただ、マッチング拠出はあくまでも企業型DC(401K)制度の中で運用するものですから、会社の制度のなかで用意された金融商品のラインアップから投資商品を選択することになります。また、マッチング拠出で加入者本人が拠出できる掛金は、会社の掛金額を上回ることはできません。会社の掛金が10,000円であれば、マッチング拠出で加入者本人が拠出できる金額は、最高10,000円までということになります。さらに、企業型DC(401k)の掛金限度は、月額55,000円ですので、会社掛金とマッチング拠出の掛金の合算額は55,000円を超えることはできません。つまり会社掛金が30,000円であれば、マッチング拠出は25,000円ということになります。

①マッチング拠出とiDeCoは併用できない

加入者自身が掛金を拠出する点で、マッチング拠出もiDeCoは似ているものです。企業型DC(401k)とiDeCoが併用できるのであれば、マッチング拠出も可能かというと、実はNGです。2022年10月の法改正以降も、併用はできません。会社の企業型DC(401k)制度にマッチング拠出のしくみを取り入れている場合には、マッチング拠出かiDeCoかを選択することになります。

②マッチング拠出とiDeCoのどちらを選ぶか
確定拠出年金制度を最大限に活用するには、限度額をしっかり確認しておく必要があります。
【iDeCoに加入がおすすめの場合(会社掛金:10,000円/月の場合)】
マッチング拠出は、10,000円/月まで可能。
iDeCoは、20,000円まで可能。
合算すると、マッチング拠出は20,000円、iDeCoは30,000円
⇨iDeCoのほうが掛金を多く拠出できる!

【マッチング拠出に加入がおすすめの場合(会社掛金:22,000円/月の場合)】
マッチング拠出は、22,000円/月まで可能。
iDeCoは、20,000円まで可能。
合算すると、マッチング拠出は44,000円、iDeCoは42,000円
⇨企業型DC(401k)のほうが掛金を多く拠出できる!
ただし、忘れてならないのは、マッチング拠出の場合は、口座管理料などは会社負担ということ。手間やコスト面で考えれば、従業員にとってはマッチング拠出のほうが有利な場合も多いでしょう。

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