課長とは ~将来の幹部候補としてのスタートライン。年収1200万円の課長になった時の心構え – ページ 2

課長の心構え

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課長とは将来の幹部候補としてのスタートライン。年収1200万円の課長になった時の心構え

それまで現場リーダー的な立場であった係長としての働きとどこが違うのか分からないまま、課長職に就く人もいるかもしれません。しかし、係長と課長の立ち位置は明確に異なります。

組織における課長職は経営計画や事業方針を実行する要であり、現場における価値創造や人材育成をマネジメントする重要な立場です。

課長には、目標設定や進捗管理、人材育成、リスクマネジメントや業務改善まで幅広い役割が求められます。正しい仕事を身につけ、部下のお手本にならないといけません。

課長職は本格的なマネジメント業務のスタート地点でもあり、プレイヤー時代とは異なる能力やスキルを求められるようになります。

新任管理職研修などの支援を通じて、課長や必要な役割認識や能力・スキルをしっかりと身に付け、組織の成果をあげていけるように支援しましょう。

名実ともに「管理職」の仲間入り

課長は、多くの組織において「中級管理職」と位置付けられています。

係長時代にはなかった管理職としての職務権限が与えられる、管理職手当がつく、など”名実ともに管理職”と認められる立場となります。

組織によっては「専任課長」として管理職権限が与えられていない課長職もありますが、多くの組織では「課長以上=管理職」であり、経営陣の一翼を担う「マネージャー」としての働きが求められるようになります。

真の管理職になったことを実感するミッションとして、経営陣が顔を並べる全社会議への参加をあげる方がいます。経営トップの考えに直接触れる機会が増えることで、係長時代よりもさらに深く組織の経営理念にコミットできるようになる一方、課の数値目標達成が果たせない場合にはトップとしての「責任」が生じるなど、プレッシャーも大きくなります。

課長は企業の現場をまとめて業績を担い、戦術を遂行する中枢ポジションに立つ役職です。組織によって異なりますが、一般的には部長・室長に次ぐ職位であり、本格的な管理職のスタート地点です(組織によっては部長代理や次長などのポジションが部長と課長の間に入ることもあります)。

冒頭で紹介した通り、組織にとって重要な役割であると同時に、本格的にマネジメント業務に入るポジションとなり、個人にとっても大きな変化を迫られるタイミングとなります。

プレイングマネージャーからプロデューサー的な立場への転換

プレイングマネージャーでもあった係長時代なら、「今月はチームの数字が上がっていないな」と思ったら、自分の働きで挽回することもあったかもしれません。しかし、課長は自部門(課)のトップとして、課の中に属している複数のチームの成果を出すことが求められる立場です。

仮に自部門(課)のチームすべての数字が悪かった場合、これまでのように自分一人が動いて挽回するのは、時間的にも業務量的にも厳しいものがあります。

つまり課長になったら、自らが前面に出て道を切り開く立場から、俯瞰的にチームを見ながら現場をフォローすることで成果を出す「プロデューサー」的な立場にシフトしていかなくてはなりません。

課長時代にマネジメント力を高めて自部門(課)の実績をあげることができれば、将来の幹部候補としての道が開けます。課長の役割をしっかりと果たし、組織の期待に応えることで、次のステージ(部長へのステップアップ)が見えてきます。

課長と係長の違い、心構えをするための準備とは

係長はチームに与えられた目標達成に向けて、メンバーを動かしながら自らもプレイングマネージャーとして成果を出すことが求められる立場です。

管理職として目標達成に向かってチームを牽引しつつ、自身も突出した成果を上げて組織に貢献する姿を見せることで、部下に良い影響を与えていく、つまりリーダーシップを発揮することが係長の働きであると言えます。

一方課長には、リーダーシップを前面に発揮するよりも、中級管理職としてよりマネジメントに軸を置いた働きが求められます。組織のビジョン・経営方針を自部署の目標に落とし込んだうえで、その目標達成に向けて最適な役割分担を行い、部下の能力を最大限に引き出す「プロデューサー的」な働きをすることが、係長と課長の違いです。

課長に求められる「長」としての3つの役割

課長の立場はあくまで「現場のトップ」であることです。組織の方針に従い、自分の持ち場をどう動かすかを考えるのが課長の仕事であり、自部門(課)の目標達成を実現するところまでが課長に求められる役割です。

時に部下と上司との板挟みとなり、まさに「中間管理職」のイメージが強い立場ですが、「現場と経営陣との橋渡し」として機能することが期待されます。

部長は現場の中心から、より”経営陣寄り”の立場となり、トップの経営判断をサポートする仕事にシフトするのが、課長との大きな違いです。いかなる経営環境においても組織が成長を続けるために、各部門の成長戦略とリスク管理を両立させながら組織をデザインし、業績拡大を実現することが部長の主な役割と言えます。

また、時代のニーズを踏まえ新しい仕事を生み出し、組織の成長に直接貢献することが期待されます。

豊富な経験があり、部下があり、裁量もある。加えて、気力・体力も充実している。そうした充実感を最も得られるのは、多くのビジネスパーソンにとって「課長時代」ではないでしょうか。実際に現在は経営層クラスで、過去に課長職を経験された多くの方が、「課長の仕事が一番面白かった!」とおっしゃっています。

課長になられて日の浅い方や、今現役で課長をなさっている方の中には、「課長の仕事」の広さと深さ、多忙さにとまどい、その「面白さ」をまだ実感できていないという方もいるかもしれません。自ら動いて成果を出すプレイングマネージャーとして活躍していた方は尚更でしょう。

しかし、ヒト・カネ・モノといった組織の経営資源を現場に上手く配分し、チーム全体で上げることができた成果には、一人の力で出した成果とはまた違った”達成感”があります。

そうした管理職としての経験を積み重ねることで、一プレイヤーとしての意識から脱却し、次世代幹部候補として組織マネジメントにあたる”手ごたえ”と”覚悟”が生まれます。

つまり、充実した課長時代を過ごすことが、その後の大きな飛躍につながると言えるのかもしれませんね。

課長(管理職)向きの人材とは

ここでは、具体的にどのような人材が課長(管理職)に向いているのかを2つの視点から解説します。

優れた判断力・決断力がある

現場に最も近い管理職である課長は、チーム全体・組織全体へ及ぼす影響を考慮してさまざまな決断・判断が求められます。時にはプレッシャーを伴うような場面にも遭遇しますが、そうした際にも適切かつ時間をかけ過ぎずに決断・判断を下すことは管理職に求められる重要な役割です。そのため、優れた判断力・決断力がある人材は課長に向いているといえるでしょう。

社内で厚い信頼を得ている

課長は、部下をマネジメントし、目標達成のために導く役割を担っていますので、社内で厚い信頼を得ている人材は課長(管理職)に向いているといえます。能力は高くても人望がなければ部下をスムーズにマネジメントすることは難しいですから、普段から言動やコミュニケーションの質に配慮し、社内での信頼が高い人材が課長に向いていると言えるでしょう。