日産自動車の今期800億円の最終赤字、リストラ費用1000億円 3工場閉鎖へ
日産自動車は2025年2月13日、2025年3月期の連結純損益が800億円の赤字になる見通しと発表した。
9000人の削減などを公表した昨年11月の決算発表時に予想を撤回していたが、今回はリストラ費用約1000億円を織り込んだ。
今期の連結営業利益見通しは1500億円から1200億円(前期比78.9%減)に下方修正した。販売台数の予想は340万台のまま据え置いたが、主力の米国で販売が落ち込む中、値下げ原資となる販売奨励金が膨らむ。
<世界で3工場閉鎖へ>
同社はこの日、昨年11月に発表した人員9000人、生産能力2割を削減する再生計画の詳細を公表した。
固定費と変動費合わせて4000億円減らし、自動車事業の損益分岐点を26年度までに310万台から250万台レベルに引き下げる。
営業利益率4%を安定的に確保する体制を目指す。
固定費は販売管理費で2000億円、生産拠点の再編で1000億円、商品開発の効率化で300億円の削減を見込む。
世界で間接従業員2500人を削減し、工場でも26年度までに6500人削減する。
米テネシー州のスマーナとミシシッピ州のキャントン、タイの工場で生産ラインの統合やシフトの調整、配置転換などを進める。
生産能力削減については、当初シフト調整などの対応にとどめていたが、新たに工場を閉鎖する計画も公表した。25年4━6月期に2つあるタイ完成車工場のうち第1工場を、同年10月から27年3月にかけて、その他2工場を閉鎖する。1カ月以内に追加リストラ策の詳細を発表する。